読書

『ジャガイモのきた道』

山本紀夫『ジャガイモのきた道−文明・飢饉・戦争』(岩波新書)

『古代文明と気候大変動』

このところブライアン・フェイガン『古代文明と気候大変動−人類の運命を変えた二万年史』(河出文庫)をぼけーっと読んでます。歴史をかなり長いスパンで捉えて、地球環境が寒冷化と温暖化、乾燥と温潤のあいだの変動を繰り返し、人類がそれに対応してきた経…

『量子力学の解釈問題』

日本全国5000人くらい(?)のグレッグ・イーガン信者のみなさん! みなさんのための教宣本がブルーバックスから出ましたよ。コリン・ブルース著、和田純夫訳『量子力学の解釈問題―実験が示唆する「多世界」の実在』(講談社ブルーバックス)著者によると、相…

歴史本として見た場合、お勧めできない。

春名徹『北京──都市の記憶』(岩波新書) 少し調べれば分かるような記述ミスに満ちているので、シロートにはお勧めできない本です。「燕は武王の弟、召公奭に与えられた。」(P3) ──召公奭は武王の弟じゃありません。(『史記』燕召公世家第四を見よ!)「し…

『北東アジアの中世考古学』

『アジア遊学107 特集 北東アジアの中世考古学』(勉誠出版) 現在のロシア沿海州・中国東北地方・北朝鮮にまたがる地域の考古学の本。サハリン地域も少し入ってます。時代的には渤海・遼・金代あたりがメイン。城址の遺跡の紹介がけっこう多いです。最新の…

『「中国問題」の内幕』

清水美和『「中国問題」の内幕』(ちくま新書) 共青団グループ(胡錦涛・李克強ら)と太子党(習近平・薄煕来ら)と上海グループ(江沢民・曾慶紅・黄菊ら)の三国志として読めた。

『墨 191号』

『墨 2008年3・4月号 191号』(芸術新聞社) 特集 らくらく木簡・竹簡マスター講座 ふだん書道雑誌なんか読むことはないわけですが、特集に古代の簡牘の図版や解説が入ってるのが目について見てみました。郭店楚簡・新蔡葛陵楚簡・里耶秦簡・張家山漢簡・沅…

『大航海No.66』

『大航海No.66 特集−中国 歴史と現在』(新書館) 読んだことのない雑誌だけど、特集に惹かれて購入してみた。 脈動する中国国境を歩く 下川裕治 朝鮮戦争は終わっていない 台湾問題の意味 丸川哲史 中華世界の中の台湾 地域的政治主体の台頭 若林正丈 対話−…

丕緒の鳥

十二国記:6年半ぶり新作「丕緒の鳥」発表 小野不由美の傑作ファンタジー(毎日)

『十八の子』

小前亮『十八の子 李巌と李自成』(講談社)

枕流亭亭主の選ぶ他人に勧めたい中国もの7選

中国ものってどういう基準なんだと思わないではない。

枕流亭亭主の選ぶ他人に勧めたいSF7選

世界の7不思議がどうとかいうビデオを見ていたら、不意にこういう企画をやってみたくなった。脈絡は我ながらよく分からない。

帯どおりギリシアでなごんだ

芝崎みゆき画・文『古代ギリシアがんちく図鑑』(バジリコ) 前作の『古代エジプトうんちく図鑑』もたいがい濃ゆかったが、今回はさらに濃ゆいと思ったら、単に情報量が多いだけの話じゃなくて、人間劇が濃厚すぎるのだ。神様からしてダメなやつばっかだし。…

『遣唐使』

東野治之『遣唐使』(岩波新書)読んだのでメモメモ。 筆者東野氏は「井真成」を葛井真成の唐名と考える。(これはやっぱり…) 『隋書』倭国伝の「阿毎多利思比孤」は、小野妹子の祖先が「天帯彦国押人命」だったところからの誤解。 遣唐使の「南島路」なる…

森福都『楽昌珠』

森福都『楽昌珠』(講談社) 陶淵明の桃花源記を思わせるオープニングで、時代は武周の末年から盛唐の開元初年にかけてのお話ですね。3話連作。作者森福女史の得意技マジックアイテムを核心に据えたトリック小説が炸裂しております。「楽昌珠」「復字布」「…

『中国説話文学とその背景』

志村五郎『中国説話文学とその背景』(ちくま学芸文庫) 著者の志村氏は、米プリンストン大学の数学者らしい。志村氏が五十数年かけて集めた中国の説話を、八年かけて一冊書き上げたと、本人が書いているので、趣味のライフワークの結晶めいてみえるのもむべ…

『輝くもの天より墜ち』

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『輝くもの天より墜ち』(ハヤカワ文庫) ちょっとリリカル、ちょっとミステリー、ちょっとSFな長編。

『太陽の簒奪者』『沈黙のフライバイ』

野尻抱介を続けて読んでみた。ネタバレしないことには、どうもまともに感想も言えないみたいだから、以下は容赦なくバらす。

『中国美人伝』

陳舜臣『中国美人伝』(中公文庫)。久しぶりに読んだ陳舜臣。西施・卓文君・王昭君・皇后羊献容・薛濤・萬貴妃・竇妃の七人を取り上げる。『妖のある話』とかぶっている人物もいるが、より深く掘り下げている。西施・王昭君はまだしも知られているが、羊献…

『中国・アジア・日本』

天児慧『中国・アジア・日本──大国化する「巨龍」は脅威か』(ちくま新書) 約一年前に書かれた書だが、すでに少し古びた感じを受けないでもない。現代の日中関係を見通した内容だが、今問題化している「食の安全」も出てこないし、あるいは安倍政権の靖国曖…

『変な学術研究』

エドゥアール・ロネ『変な学術研究I』(ハヤカワ文庫) フランスの科学ジャーナリストが科学雑誌の中の論文や研究報告から見つけた奇妙な学術研究の紹介コラム54本。雑学本のノリで軽く読める。ハトはモネとピカソの絵を判別できる。しかしモネの絵を逆さま…

The Devils of the Eclipsed Island

田中芳樹『月蝕島の魔物』(理論社) 久々の田中芳樹。ヴィクトリアン・ホラー・アドベンチャーとしてシリーズ化するつもりらしい。怪奇ではあっても、恐怖小説的要素はまるでないので、軽く読める。こういうのを書くと、田中芳樹は本当にソツがない。

林俊雄『スキタイと匈奴 遊牧の文明』

林俊雄『興亡の世界史02 スキタイと匈奴 遊牧の文明』(講談社)読了。メモメモ。

『スロー・バード』

イアン・ワトソン『スロー・バード』(ハヤカワ文庫)

『乾隆帝』

中野美代子『乾隆帝 その政治の図像学』(文春新書) 18世紀、清の乾隆の盛世を築いた清高宗愛新覚羅弘暦君の伝記。かれが作らせた絵画や庭園からその政治的位相を読み解いていく。 皇帝在位60年、生涯に5万首の詩をものし、カスティリオーネらのパトロ…

『火星縦断』

G・A・ランディス『火星縦断』(ハヤカワ文庫) 火星サバイバルSF。だいぶ寝かせておいたが、いざ読み出すとすっと読めた小説。 2028年、第三次有人火星探査隊は火星に降り立った。しかし帰還船の事故のため、予定されていた通常の方法では地球への帰還…

『分裂』から『驚愕』を予想する

谷川流『涼宮ハルヒの分裂』(角川スニーカー文庫)読んだので、以下ネタバレややあり、超憶測あり。

『覇権か、生存か』

ノーム・チョムスキー『覇権か、生存か』(集英社新書) ベネズエラ大統領ウゴ・チャベスご推薦の一書(笑)。 英文直訳調で、やや取っつきにくい。アメリカの政権がやってることは、9・11の前と後で実はあまり変わっていないことを、これでもかと示した…

『資料にみる最新中国史』

『アジア遊学96 資料にみる最新中国史』(勉誠出版)

『魏晋南北朝壁画墓の世界』

蘇哲『白帝社アジア史選書008 魏晋南北朝壁画墓の世界 絵に描かれた群雄割拠と民族移動の時代』(白帝社)