2010-01-01から1年間の記事一覧

おいしい漢字

おいしそうな漢字を考えてみた。(on Twitpic) http://twitpic.com/3hzck0 全く新たな漢字を創作するのも良いけれど、既存の漢字でもいろいろ作れるんじゃないかな。 「劜一」とか「汙ュ一」とか。 漢字の新たな読みを作り出すのも、創作漢字の一芸だ。全然…

青木朋『三国志ジョーカー』の完成度が半端なかった件

三国志ジョーカー 1 (ボニータコミックス)作者: 青木朋出版社/メーカー: 秋田書店発売日: 2010/12/16メディア: コミック購入: 5人 クリック: 56回この商品を含むブログ (4件) を見る黒スーツにネクタイ、紫煙をくゆらせ、こましゃくれたダンディズムを漂わせ…

湖北鄂州三国墓

http://news.cnxianzai.com/2010/12/303764.html 湖北省鄂州市の三国時代呉の墓から出土した銅鏡の銘文は、 「建興二年□道登□造作好竟可以昭明上合星□辟不祥服者高貴□位至三公□長樂無窮子孫繁昌」 ということらしい。 建興二年は、西暦253年。 この墓は、孫…

清華簡九篇

よく分からないながら、李学勤「清華簡九篇総述」を斜め読み。 http://ishare.iask.sina.com.cn/f/9064807.html 清華簡は、2008年7月に海外から清華大学に持ち込まれた戦国竹簡です。 以前うちでも記事書きました。 http://d.hatena.ne.jp/nagaichi/20090427…

曹操の墓を専門家が解説したよ(その五)

その四のつづきです。 今回は討論会の質疑のメモからまとめに入ります。ICレコーダーでもあれば、もう少ししっかりと内容を起こせるのかも知れませんが、会場で聞いたときのメモ書きを清書しただけなので、断片的でよく分からないと思います。そのへんご容…

時代は侵畧されている

「働」の略字に「仂」というのがあってなー。時代は、働かない「WORKING!!」より、働く「イカ娘」でゲソ。

「正史」も「稗史」も読まない人の史論

中国四千年は改竄史、真の歴史は日本にあり 嘘で固められた南京大虐殺、尖閣事件・・・(JBpress 日本ビジネスプレス) http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/4971……ツッコミがいのありすぎる記事ですね。「改竄」され「嘘で固められ」てるのはこの筆者さん…

黄金の都シカン展

県美の「インカ帝国のルーツ 黄金の都シカン展」 http://www.ehime-art.jp/tenrankai/now/index.html 見てきました。 アンデス文明のうちの一地方文化であるシカン文化の考古成果を紹介する特別展示です。 島田泉教授というアンデス考古の学者さんの調査を前…

大宰府天満宮の謎の詩碑

10月に九州行ったときに見つけた変なもの。 生命の滾り 樟の木の光の中で私は佇んでいた 深く淡い光の中で この樟の木は 深く長い命を燃焼させている 幾千年のこの樟の木は 多くの歴史をつぶやきながら みずからの歴史の痛みや苦しみを 歴史の他表にこたえ…

曹操の墓を専門家が解説したよ(その四)

その三のつづきです。 今回は張志清氏の発表を紹介します。漢代の諸侯王の墓制の変遷を通して、曹操の墓の位置づけを論じます。なにやら専門的にすぎる内容ですが、「崖洞墓+黄腸題湊(黄腸木→黄腸石)→磚券墓(外側に回廊→前中後三室構造)」という流れを…

曹操の墓を専門家が解説したよ(その三)

その二のつづきです。 郝本性氏の発表です。曹操の墓からは「魏武王」の石牌をはじめ60数点の石碑が出土しています。そこにみえる副葬品から曹操の実像に迫っていく内容です。

曹操の墓を専門家が解説したよ(その二)

その一のつづきです。 いよいよメインディッシュの登場です。曹操墓の発見と認定の経緯の解説です。曹操墓発掘現場の隊長さんこと潘偉斌氏の発表を紹介します。一連の騒ぎではマスコミへの露出もけっこう激しかった人ですね。

曹操の墓を専門家が解説したよ(その一)

地元・愛媛大学で東アジア古代鉄文化研究センター第3回国際シンポジウム『三国志・魏の世界―曹操高陵の発見とその意義―』 というのがあったので、行ってきました。 http://www.ccr.ehime-u.ac.jp:80/aic/sousousympo.html 白雲翔・潘偉斌・郝本性・張志清の…

蒙恬の先祖

『史記』蒙恬列伝に「蒙恬はその先祖が斉の人である。恬の祖父の蒙驁が斉からやってきて、秦の昭王に仕え、官は上卿にのぼった」というが、蒙驁自身やその祖先が斉でなにをやっていたのかはさっぱり分からない。『戦国策』秦策三に「蒙傲」なる人物が登場す…

「中国のローマ人」再び

珍説は死なぬ。ひさびさの「中国のローマ人」ネタです。 消えた古代ローマ軍の謎に迫る 蘭州大学イタリア文化研究センター(中国通信社) http://www.china-news.co.jp/node/58894 (中国通信=東京)蘭州18日発新華社電によると、2000年余り前、古代ロ…

侵略!トリ男

『新唐書』巻93列伝18李客師伝 弟客師,右武衞將軍,累戰功封丹楊郡公。致仕,居昆明池南。善騎射,喜馳獵,雖老猶未衰。自京南屬山,西際澧水,鳥鵲皆識之,毎出,從之翔噪,人謂之「鳥賊」。卒,年九十,贈幽州都督。 李靖の弟の李客師でゲソ。 ナタク(誤…

曹操墓出土文物に見える刻字について

曹操の墓(河南省安陽市西高穴村2号墓)出土文物刻字の字釈については公式の発表が不充分なため、不完全なものにとどまっているようです。 ネット上でまとめたところは、たとえば http://tieba.baidu.com/f?kz=897537531 のようなところがあります。 不完全…

俺はWikipediaん

Wikipediaの遼史あたりの人物記事をちくちくと埋めていたのですが、アマチュア的限界に達したこともあり、また別方面に転進いたします。また南北朝あたりをうろうろするかな。 オラの投稿記録を晒すっと。

西周金文を起こしてみた

「[害夫][白匕殳]」こう表記するしかないのか? 西周の厲王自作とされる青銅器の銘文。「[害夫]」が厲王の名として伝わっている「胡」に通じると考えられている。 王曰有余隹[小子]余亡[ウ康]晝 夜笒雍先王用配皇天簧 黹朕心墬于亖方肆余以 餯士獻…

大塚清恵論文と「弓月国」

Wikipediaや2chの引用まであると評判の大塚清恵論文。 日本・イスラエル比較文化研究(2)―日本列島は誰が創った?― http://ir.kagoshima-u.ac.jp/bitstream/10232/9161/1/J08Otsuka.pdf 「秦(BC221 年〜 BC206 年)は、実はペルシャの植民地だったのであ…

「誕生!中国文明」展

太宰府は九州国立博物館に「誕生!中国文明」展を見に行ったので、散漫ですが感想など。中国河南省出土の考古文物を日本に借りてきて、東京→福岡→奈良と国博を巡回する特別展ですね。さすがは中原の地といいますか、一省のみの考古出土品でもあなどれないもの…

楊家将が日本で受けない理由

『楊家将演義』が日本で受けない(ろくに紹介すらされない)のは、あまりに漢族ナショナリズム色が強くて、戦前の日本人にとっても、戦後の日本人にとっても、あまり気持ちのいい筋書きではなかったからではないか。様々な裏読みが可能な『三国志演義』や反…

マイクロフト諸葛瑾

孔明をシャーロック・ホームズに擬し、兄の諸葛瑾をマイクロフト・ホームズに擬するマイクロフト諸葛瑾というネタが大昔にあったと思うのだが、誰のネタだったのか思い出せない。ググっても有意な結果が出なかった。観察と推理とに無縁な凡人を助けてプリー…

悼滑

覚え書きにメモ。 http://www.china-news.co.jp/node/54541 湖北省沙洋県の厳倉古墓群で楚の大司馬・悼滑の墓がみつかったというニュース。この悼滑は、 包山楚墓出土竹簡に「大司馬悼滑將楚邦之師徒以救郙之歳」と見え、 『戦国策』巻14「楚王問於范環」に…

「君側の奸」

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1347706313 「君側の奸」という言葉は、『明史』巻244魏大中伝に「いにしえより君側の奸は〜」という表現が出てくるのがおそらく最初であり、意外と新しい代物である。同じく『明史』の巻279厳起…

慕容紹宗、字は紹宗

東魏の慕容紹宗の字が紹宗で、名と字が同じであると、田中芳樹がどこぞで言っていて、これを最初に指摘したのは顧炎武『日知録』らしいのだが。 『北史』の列伝に見える人物は、名(諱)が漢名を、字が鮮卑名(北族名)を伝えていることがよくあるので、後世…

10年前の「合戦」の写真をお蔵出しする

徳川家康最後の陣跡

血盟

今回はどこの893か男塾かという話。ヒジを刺して血を採り、盟約を結ぶというのは、唐代あたりから見えます。 『旧唐書』巻182列伝第132高駢伝 「即割臂血為盟」 『新唐書』巻79列伝第4漢王元昌伝 「承乾許之,割臂血盟」 『遼史』巻95列伝第25耶律弘古伝 …

『三国演義』を参考に石牌を贋作する簡単なお仕事です

10日待てずに思わずコメント。http://travel.people.com.cn/GB/12549721.html 仮に安陽2号墓の石牌が贋作で捏造なのだとしよう。「魏武王常所用格虎〜」の石牌は南陽の地下工場で170元あまりで作られたのだ(笑)。しかし贋作者の参考図書が『三国演義』っ…

曹操の墓から出土した石碑が偽作との説

捏造?(Living, Loving, Thinking) http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100824/1282614460 から知りました。 河南省安陽市の西高穴村2号墓(いわゆる「曹操の墓」)について、またあらたな懐疑論が現れたようです。 2号墓から出た石碑の銘文は偽作された…