曹操の墓から出土した石碑が偽作との説

捏造?(Living, Loving, Thinking)
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100824/1282614460
から知りました。
河南省安陽市の西高穴村2号墓(いわゆる「曹操の墓」)について、またあらたな懐疑論が現れたようです。
2号墓から出た石碑の銘文は偽作されたものだというのだから穏やかじゃありません。
今月21日に蘇州で開かれた「三国文化全国高層論壇」に三国時代の文化や歴史を研究する学者23人が集まったのですが、そこでそういう話が出たようです。
20余学者指责曹操墓作假
http://tech.sina.com.cn/d/2010-08-23/09144575443.shtml
ネット上記事には上のような題がついていますが、参加した23人が全員偽作糺弾に回ったのかは記事の中身のほうからは判然としませんね。

对此,中国社科院历史研究员吴锐提出,墓葬中出土的“魏武王”字样的石牌不符合礼制。曹操先是被封为“魏公”,后来又提升到“魏王”,这都在生前,死的时候,是“武王”,死之后被追封为“武皇帝”,被封为“魏武王”就是硬伤,而且他是武王,不需要加个“魏”字,这不符合汉朝礼制。

まずは中国社会科学院歴史研究員の呉鋭さん。2号墓から出た石碑の「魏武王」の字が礼制に合わないと指摘しています。「魏武王」についてはこれまでもいろいろ疑問が出されていますが、「魏」字そのものが余計だという指摘は新しいかも。
後世の墓誌などでは、国号と諡号が両方ついてるものがあるので、どうなんだろうとも思いますが。

“河南在考古方面确实比较有经验,但在历史典籍方面却显得弱势很多,因此,他们在碑文造假上露出了马脚。”金石研究专家、江苏省书画鉴定委员会主任李路平告诉早报记者,河南方面是根据1998年4月出土于安阳的《鲁潜墓志》去寻找曹操墓的 “解谜路标”。李路平说,后赵时期墓中设置墓志是贵族的专利,鲁潜虽然是后赵的正三品官员,但并非真正意义上的贵族,他的墓中竟会有墓志出现,令人感到奇怪。

続いては、金石研究の専門家で江蘇省書画鑑定委員会主任の李路平さん。曹操の墓発見の先触れとなった「魯潜墓誌」に疑問を呈しています。後趙の正三品の官僚にすぎない魯潜は本当の貴族ではなく、墓誌が出るのは奇怪だといってます。
しかし、魯潜の贈官は太僕卿とけっこう高位なうえに、駙馬都尉(公主のダンナさん)なわけで、そんなに不可解とは思えませんが。

同时,李路平表示,出土于曹操墓的三块碑文:“魏武王常所用挌虎大戟”、“魏武王常所用挌虎大刀”和“魏武王常所用慰项石”。前两件“文物”上的“武”字与《鲁潜墓志》上的第二个“武”字写法都是一样的,都错把“止”部写为“山”。而“魏武王常所用慰项石”石牌中“武”与《鲁潜墓志》中第一个“武”字同样写错、同样笔画瘦硬。两个相差100多年的“武”刻画得如出一辙,系同一人操刀作伪。“另外,从《鲁潜墓志》和曹操墓出土石牌的公布拓片来看,上面毫无石炭岩在地下侵蚀千年的石花,也能看出其年限不长!”李路平说,“这样拙劣的造假手法,其造假时间,长不过三年,短则三天。”

李路平さんは2号墓から出た石碑の3つの碑文「魏武王常所用挌虎大戟」「魏武王常所用挌虎大刀」「魏武王常所用慰項石」を示して、前2者の文物上の「武」の字が「魯潜墓誌」上の第二の「武」の字と書法がいっしょで、「止」の部分を「山」と書き間違えているといってます。しかも「魏武王常所用慰項石」の石牌中の「武」は、「魯潜墓誌」中の第一の「武」の字と同様に書き間違っており、同様に筆画が痩硬なのだそうです。100年以上の差のある「武」が同一線のように刻まれるのは、同一人の操刀による作為だといっています。

もっともらしいのですが、言うほど筆跡が似てるのかという疑問はありますし。
「武」の異体字はいろいろあって、
http://dict.variants.moe.edu.tw/yitia/fra/fra02070.htm
「止」の部分が「山」になっている異体字も存在するので、書き誤りとは言えないですね。

中国政法大学中文系博士生导师、魏晋文学研究专家黄震云教授说,从曹操墓一些已公布的画像石图片中看出,该画面是仿照山东嘉祥的汉代画像石,但那是垓下之战时期的,山东考古界也没有搞清楚画的是什么。而作伪者找到了最能表现作战场面的图像,认为这和曹操身份符合。这恰恰闹了一个大笑话。

最後は中国政法大学中文系博士生導師で魏晋文学研究専門家の黄震雲教授。曹操墓から出た画像石の画面は山東省嘉祥県の漢代の画像石のまねで、垓下の戦いの時期のものだといってます。

黄震云说,西高穴村出土的画像石,刻有侍郎、侍臣等字样明显是造假。从画像石的风格来说,曹操墓出土的画像石风格如北魏常见的线刻,作伪者虽然了解汉代画像石的刻法,但是刻工水平低下。“从图片上可以看出来,整个图像用现代工具开槽太深,说白了就是用电锯锉的,边框斜打得太过明显,甚至连石头印痕、石头粉末还在的情况下就在上面抹上黄土冒充。”黄震云指着投影仪上的图片说,这块画像石上还人为地刻写了很多名词,如咸阳令、主簿车、首阳山、侍郎、侍臣和使者,这样一来,谁能搞清楚呢?其实山东的垓下之战,只刻写了“功曹”二字。


さすがにこれはツッコめないです。画像石のことはよく分からないので。というか、全般的に余計な素人ツッコミ入れてないで、ちゃんと紹介するべきでしたが、ダメオタクのサガで止められませんでした。個人的にはとくに李路平さんの見解に賛成できなかった(笑)のですが、見識ある方々のご意見をお待ちしております。