2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

男色の中国史その1

お題のとおり。その1とつけたが、たぶん続きは書かない。 弥子瑕という人物が衛の霊公の寵愛を受け、桃を分けて一緒に食べたりしていたが、寵愛が衰えると余り物の桃を食わせたとされて罰せられたという「余桃の罪」の故事が『韓非子』説難篇に見える。 『…

「相邦」銘文をもつ文物

ざっとしたメモ書きなので、誤脱があればごめんなさい。戦国期の趙・中山・秦に相邦の官が存在したことが確実視される根拠はこのへんですね。「十八年相邦平国君鈹」(邢台市家蔵)「八年相邦建信君鈹」(北京故宮博物院蔵)「十七年相邦春平侯鈹」(北京故…

韓王信は代王となったのか問題

近刊の渡邉義浩『漢帝国 400年の興亡』(中公新書)p.23に「韓王信を代王として、国に封建する」と書かれています。古くは西嶋定生『秦漢帝国』(講談社学術文庫)pp.187-188に「高祖の六年(前二〇一)、すなわち高祖が天下を統一した翌年のこと、韓王信は…