黄金の都シカン展

県美の「インカ帝国のルーツ 黄金の都シカン展」
http://www.ehime-art.jp/tenrankai/now/index.html
見てきました。
アンデス文明のうちの一地方文化であるシカン文化の考古成果を紹介する特別展示です。
島田泉教授というアンデス考古の学者さんの調査を前面に出してましたね。以前も県美は吉村作治古代エジプト展をやっていたので、こういう考古学者のアバターを前に出した展示に味をしめているのかもしれません。考古発掘の過程に重点を置いた紹介や、立体的なモデルあるいは映像の多用には好感がもてました。
ロロ神殿東側の墓の被葬者があぐらかいて逆立ちした姿勢で葬られていたというのは面白かったです。殉葬者の多さというのは、神権政治的なものを思わせました。金属製品や黒色・赤色土器や貝製の文物が中心で、見慣れないフォルムのものが多かったです。鳥神シカン神かわゆす。黄金の大仮面でかかった。金属製品では黄金製のものより砒素銅製のもののほうが印象に残りました。砒素銅といっても緑青の錆びが浮いていて見た目は青銅と区別がつかないんですけど。土器では、動物やシカン神をかたどった面白いものが多かったのですが、釉薬を使った陶器ってのはなかったみたいですね。金属製品があれだけ発展していながら、陶器がないというのが、ユーラシアとの距離を感じました。