『遣唐使』

東野治之『遣唐使』(岩波新書)読んだのでメモメモ。

  • 筆者東野氏は「井真成」を葛井真成唐名と考える。(これはやっぱり…)
  • 『隋書』倭国伝の「阿毎多利思比孤」は、小野妹子の祖先が「天帯彦国押人命」だったところからの誤解。
  • 遣唐使の「南島路」なるものは存在しなかった。
  • 遣唐使住吉大社の関係は深い。
  • 遣唐使船で麻布の帆が使われていた。
  • 空海は薬生だった。
  • 鑑真は幅広く授戒して仏教を広めようとしたが、朝廷は僧尼の身分を限定したがり、そこに齟齬が生じた。
  • 大量の漢籍が輸入され、日唐の結びつきは「ブックロード」と呼ぶのがふさわしい。
  • みかんや茶が遣唐使により日本にもたらされた。
  • 遣唐使の廃止と国風文化の形成には直接の関係がない。国風化はもっと早くから起こっていた。
  • 遣唐使の廃止後も日本の対外交流は様々な面で拡大した。しかし「開かれていた日本」を強調しすぎることに、筆者東野氏は批判的。

遣唐使本も、古瀬奈津子遣唐使の見た中国』(吉川弘文館)とか、専修大学・西北大学共同プロジェクト編『遣唐使の見た中国と日本』(朝日選書)とか、まーだ積ん読があるなあ。いつ読めるんだろう、オレ。