『十八の子』

小前亮『十八の子 李巌と李自成』(講談社
李巌の薄甘〜い理想と融通のきかない生真面目さ。懸命に努力しているけど、それが空回りして、いつの間にか他人と壁を作ってる。名声に似合わぬそこはかとないダメっぷり。なんか小前作品ではじめて主人公に感情移入できました。(^_^;)
最後のあたりも、宋献策の予言がオチにつながるんですが…、えっと少し意表を突かれました。正統的な李巌物語の路線からはかなり外れてますね。これは結果よかったと思います。
紅娘子のフェードアウトのしかたはなんとなく残念なんですが、李巌を転落させるにはお話的に必然だったのかな。