女の字(あざな)が姓に繋がること

『陔餘叢考』巻四十二

班昭は曹世叔の妻となり、字を恵班といった。荀采は陰瑜の妻となり、字を女荀といった。いにしえの女人には、実家の姓を字につなげている者がいる。

班昭(恵班)・荀采(女荀)、ともに『後漢書』巻84列女伝に見える。
後世が考えるような姓・名・字の順はここにはなくて、そういう呼称方式だったんじゃないだろうか。姓のほうが後にくる呼称方式。それを字だと思ってしまっている。後世的に班恵班とか荀女荀とか呼んだ日には、出来の悪い回文にしかならないものね。
春秋時代あたりにも「〜姫」「〜姜」といった姓を後ろにする呼称の女性は頻出するよね。そういうものの延長で考えたほうがよさそう。