昨年９月に出た唐の上官婉児の墓から出土した墓誌が『考古与文物』に公表されたらしいです。
http://sn.people.com.cn/n/2014/0108/c190230-20338075.html
http://www.sxdaily.com.cn/n/2014/0108/c47-5325449-1.html
誌蓋は、「大唐故昭容上官氏銘」の９字です。
誌文は、32行982字だそうです。以下は例によってネットに落ちてたのを適当に加工したので、誤字ってたらゴメンナサイ。
大唐故婕妤上官氏墓誌銘并序
夫道之妙者乾坤得之而為形質氣之精者造化取之而為識用挻埴陶鑄合散信息
不可備之於人備之於人矣則光前絕后千載其一婕妤姓上官隴西上邽人也其先
高陽氏之后子為楚上官大夫因生得姓之相繼女為漢昭帝皇后富貴勲庸之不絕
曾祖弘隨籐王府記室參軍襄州總管府屬華州長史會稽郡贊持尚書比部郎中與
觳城公吐萬緒平江南授通議大夫學備五車文窮三變抴裾入侍載清長阪之衣冠
杖劍出征一掃平江之氛祲祖儀 皇朝晉府參軍東閣祭酒弘文館學士給事中太
子洗馬中書舎人祕書少監銀青光祿大夫行中書侍郎同中書門下三品贈中書令
秦州都督上柱國楚國公食邑三千戶波濤海運崖岸山高為木則揉作良弓為鐵則
礪成利劍埰摭殫於糟粕一令典籍困窮錯綜極於煙霞載使文章全盛至於跨躡簪
笏謀猷廟堂以石投水而高視以梅和羹而獨步官寮府佐問望相趨麟閣龍樓輝光
遞襲富不期侈貴不易交生有令名 天書滿于華屋沒有遺愛 璽誥及於窮
泉父庭芝左千牛周王府屬人物本源士流冠冕 宸極以侍奉為重道在腹心王
庭以吐納為先事資喉舌落落萬尋之樹方振國風昂昂千里之駒始光人望屬楚國
公數奇運否解印褰裳近辭 金闕之前遠竄石門之外並從流迸同以憂卒贈黃
門侍郎天水郡開國公食邑三千戶訪以荒陬無復籐城之櫬藏之祕府空余竹簡之
書婕妤懿淑天資賢明神助詩書為苑囿捃拾得其菁華翰墨為機杼組織成其錦綉
年十三為才人該通備於龍蛇應卒逾於星火 先皇撥亂返正除舊布新救人疾
苦紹天明命神龍元年冊為昭容以韋氏侮弄國權搖動 皇極賊臣遞搆欲立愛
女為儲愛女潛謀欲以賊臣為黨昭容泣血極諫摑心竭誠乞降 綸言將除蔓草
先帝自存寛厚為掩瑕疵昭容覺事不行計無所出上之請擿伏而理言且莫從中之
請辭位而退 制未之許次之請落發而出卒刀挫釁下之請飲鴆而死幾至顛墜
先帝惜其才用慜以堅貞廣求入腠之醫才救懸絲之命屢移朏魄始就痊平表請彰
為婕妤再三方許暨 宮車晏駕土宇銜哀政出后宮思屠害黎庶事連外戚欲傾
覆 宗社皇太子沖規參聖上智伐謀既先天不違亦后天斯應拯 皇基
於傾覆安 帝道於艱虞昭容居危以安處險而泰且陪 清禁委運於乾坤之
間遽冒鈷鋒亡身於倉卒之際時春秋四十七 皇鑒昭臨 聖慈軫悼爰適
制命禮葬贈官太平公主哀傷賻贈絹五百匹遣使弔祭詞旨綢繆以大唐景雲元年
八月二十四日窆於雍州咸陽縣茂道鄉洪瀆原禮也龜龍八卦與紅顏而並銷金石
五聲隨白骨而俱葬其詞曰
巨閥鴻勲長源遠系冠冕交襲公侯相繼爰誕賢明是光鋒銳宮闈以得若合符契其一
瀟湘水斷宛委山傾珠沉圓折玉碎連城甫瞻松檟靜聽墳塋千年萬歲椒花頌聲其二
ざっと読んだとこでは、上官婉児の曾祖父の上官弘が隋の滕王府記室参軍・襄州総管府属・華州長史・会稽郡贊持・尚書比部郎中になって、穀城公吐万緒とともに南朝陳を平定する戦いに参戦したとか、
祖父の上官儀が唐の晋府参軍・東閣祭酒・弘文館学士・給事中・太子洗馬・中書舎人・秘書少監・銀青光禄大夫・行中書侍郎・同中書門下三品になって、中書令・秦州都督・上柱国の贈官を受けて、楚国公に追封されたとか、
父の上官庭芝が左千牛周王府属になって、黄門侍郎の贈官を受けて、天水郡開国公に追封された
といった父祖の記述が、全体の半分を占めている墓誌らしい墓誌なのであります。
上官婉児自身についてといえば、13歳（数え）で才人となり、神龍元年（705年）に昭容となり、47歳（数え）で亡くなって、景雲元年（710年）8月24日に雍州咸陽県茂道郷洪瀆原に葬られたということくらいしか、中身のあることは書いてませんが、伝世史料の『旧唐書』『新唐書』『資治通鑑』などの記述を裏打ちするところ半分、新たな知見となったところ半分というところですかね。
