皮肉を理解できないマジメな人

週刊オブイェクトの中の人の軍事知識についてはつねづね尊敬申し上げているところだが、文章の読解力についてはかなり残念な人であるらしい。直喩でないと通じない可能性があるので、なるべくストレートに書くよう心がけよう。
早い話が:天安門事件は良き時代=金子秀敏(毎日新聞)

中国でまた天安門事件は起きるか。もう起きないだろう。あれは、中国人が共産党を信頼していた良き時代の事件だからである。

天安門事件20周年で最も電波な記事 (週刊オブイェクト

天安門で虐殺が行われた事自体は否定していないようです。ですが、中国批判をしているようには見受けられないタイトルと最後の段落を挿入して、何がしたいのやら・・・誤魔化すにしても美化するにしてもおかしいですし、批判するにしても意味不明な行動で、何がしたいのか全く分かりません。

金子氏のつけた記事題が新聞記者らしからぬ釣り題であると批判するならまだ分からないでもないが、記事の主旨が本気で理解できないらしい。この記事が現在の中国を批判する文章として読めないのだとすれば、オブイェクトの中の人の読解力はどうかしている。
オブイェクトの中の人は皮肉を皮肉と、隠喩を隠喩と書かないと理解できないのだろうか?そもそも金子氏の記事は「思い込み」ではない。六四天安門事件胡耀邦追悼の運動から発してるし、弾圧を受けた学生らは趙紫陽ら当時の共産党内改革派に期待していたのは事実なのだが。金子氏が中国擁護に走る記者という「思い込み」で「電波な」批判をしているのはオブイェクトの中の人だろう。

ちなみに
毎日新聞・金子秀敏が中国人民海軍を礼賛 (週刊オブイェクト
での批判も、事実関係の間違いについてのツッコミは肯うとして、「中国海軍を礼賛」している記事とはまるで思えなかった。
というか「ついに中国海軍の国際デビューである。」に皮肉な響きを感じ取れなかったのだろうか?直前の「江沢民総書記(当時)が海軍増強にのめり込んだ。その結果が今回の観艦式だ。」を読めばふつう批判的なニュアンスを感じ取るものだが。
なんかいろいろ残念である。まあマジメな人なんだろーけど。