チベット三題

この時期だからあえて言おう的な三題。
1.今回のチベットの「暴動」事件は、中国(&インド)当局の独立派デモへの弾圧とそれに対する反発として現れたという一面と、青蔵鉄道開通以降の乱開発・環境破壊・貧富格差の拡大に対する反発として現れたという一面がある。中国当局の弾圧ひどすgrという面と、チベットグローバリズムに飲みこまれているという面を見ていかないといけない。
漢族とチベット族の対立として煽るのは危険だし、実際に民族対立として深刻化すると解決の道筋がますます困難になる。

2.心情的には僕はチベットの人々の自決権を支持したい。チベット「独立」にしろ、「高度な自治」にしろ、現行の力関係的には実現が難しいが、仮に実現したとしてもそれは「はじまりの終わり」に過ぎない。むしろはじまってからのほうが大変なのだ。チベットはインドも中国も敵に回して自立できるような地政学的位置にはない。だからダライ・ラマは現実的な路線として中国との「対話」を訴えているのだと思う。それが生ぬるいと思っているチベット人も多くいるようだ。しかし外野にいる日本人の容喙できうるところではない。
独立したとしても東ティモールみたいにならないという保証はない。しかし(中国の一部であり続けるという選択も含めて)いずれの選択を取るにせよ、その総意を尊重したい。そういう選択の可能性のためにも、中国における言論の自由、政治的な自由の拡大を求めたい。日本の僕らはいろいろ忘れないようにしよう。

3.Wikipediaの「チベットの歴史」の記事を誰か書いてくれ。チベットの歴史系記事は結構あるんだけど、通史としてまとまった記事がなくて、ずーっと気になってるんだ。他力本願なむ。