「七つの文明展」

県美の「吉村作治の古代七つの文明展」行ってきました。
http://www.ehime-art.jp/tenrankai/now/index.html
エジプト、オリエント、ギリシャ・ローマ、中国、中南米シルクロードとインド、日本(縄文)という古代の多地域の文物を並べるという、えてして散漫的になりかねないテーマだったのですが、235点とそれなりの物量があって楽しめました。ただ国内所蔵のものを調達していて、海外所蔵のものはすべてレプリカだったというのが悲しかったですが。
以下、個人的な好み全開で物言います。
中南米のものはユーモラスなものが多くて実に面白かったです。タイノ文化の人物象形壺とか何だこりゃーでしたし。
▼イタリアのアッティカ陶器の壺とかもわりと写実的な絵がはっきり残ってて良かったです。
インダス文明のものはあまり見たことがなくて、以前見たものは印章とビーズくらいしか覚えがないのですが、今回パキスタン出土の壺とか土偶とか来てました。コブウシをモチーフにしたのがいくつかあって、こういう方向かと思いました。
▼中国のはわりとあっさりしてましたね。ええと、唐三彩の色が良かったです。十二支像は以前の中国文明展でみたものの劣化版みたいでした。中国史オタとしてなんかツッコミどころはないかと鷹の目で探していたのですが、あまり特筆することもなく……。戦国時代の「ガラス璧」というのがあったのですが、ふつうに玉璧じゃないかなあと思ったくらいでした。どちらにしろ、それほど良いものではないですけど。
▼縄文「文明」ですが、縄文土器のフォルムは面白くて大好きです。でも日本の先史文化である縄文を「文明」と呼ぶ向きには、苦笑するばかりです。都市も初期国家も成立していないうえに、普遍性という点でもせいぜい北海道の続縄文文化あたりまでしか届いていない文化を文明と呼ぶものでしょうかね。さておき火焰土器萌え。
▼ええとエジプトが抜けてました。吉村作治がやってるわりには、それほどいいものが来てなかったのは、やはり国内調達の限界でしょうか。以前のエジプト文明展と比べると、はるかに見劣りしましたね。
▼オリエントも抜けてました。レプリカのハムラビ法典のほうが印象に残るという。あんなにでかかったんだー。そういや俺、岡山のオリエント美術館も池袋サンシャインのオリエント博物館も行ったことあったんでした。すまぬ。