ドラえもんと「接ぎ木」多世界解釈

ドラえもんですごく怖い話がある(【2ch】日刊スレッドガイド)

のび太がママに怒られて家出し、無人島へ行く。
なんとか生活してみようと試みるも、結局無理だと悟り帰ろうとした時
ドジをやらかしてしまい帰れなくなってしまう。
ありあわせの秘密道具で何か毎日をしのぐも、ドラえもんは助けに来てくれず10年が過ぎたある日、
SOSを発信する道具のお陰でドラえもんが来た。
その後、のび太の部屋に帰りタイムマシンで10年前に戻り、
のび太自身もタイム風呂敷を被って10年前の姿になり全ては元通りとなった。

しかし空白の10年間は存在してしまう。
この場合のび太は元の生活を取り戻したことになるが、世界のどこかでは
もう一人の自分が向こう10年間無人島でひっそりと暮らしていることになる。

さらにカオスなのは、タイムマシンで10年前に戻ったのはのび太だけでなく、ドラえもんもなのだ。
家出中ののび太はともかく、これではドラえもんが2人になってしまうのだが
何故かそこにはドラえもんは居ない。

つまりのび太無人島で暮らしている間、ドラえもんは消息不明になっていて
10年後SOS発信機によってやっと助けに向かうのであるが、
その間ドラえもんがどうなっていたのかは誰にも分からない・・・。

のび太ドラえもんはそんなミステリーを抱えながら、
その後もお馴染みの日常ギャグストーリーを展開しているのだろうけど考えると怖くて仕方ない。

ドラえもんはそもそも多世界解釈を前提とした物語なんだよね。分かりやすい例でいえば、のび太の嫁はジャイ子か静香か、両方の世界を許している物語。
だから件の話も、ありえないタイムパラドックス物語としても読み解けるけど、多世界解釈物語としても読み解けないか?とも思うんだ。
世界A:のび太無人島で10年間を過ごし、ドラえもんに発見されて、タイムマシンによってドラえもんのび太の消失した世界。(以降はドラえもんのび太が行方不明のまま、おそらく世界のひとつとして存続する)
世界B:のび太が元の生活を取り戻した世界。(10年後にもとくに事件はないだろう)
世界の分岐点:世界Aで、ドラえもんのび太がタイムマシンに乗り込んだ時点。

少し補足すると、世界Bは世界Aから分岐した世界だから、もうひとりのドラえもん無人島で10年間を過ごしているもうひとりののび太は存在しない。しかし世界分岐直後にタイムマシンという時間遡行ギミックによって10年前に結線されてしまっている。

まあ、SFをある程度読まれているかたなら、上のロジックを理解していただけるだろう。さっぱり分からないかたは、某が詭弁を弄していると思っていただいても結構。
藤子F氏はすぐれたSF作家だから、これをタイムパラドックス物語として構想されたと思う。多世界解釈は深読みのしすぎかもしれない。