基本的な事実間違い

櫻井よしこWEBサイト
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彼らの目標は清朝最盛期の版図復活です。そこには朝鮮半島インドシナ半島カザフスタンキルギスタン、沖縄が含まれます。

あの〜基本的なことですが、「冊封体制に入ること」イコール「中国の版図に入ること」ではありませんよ。その謂いでいうなら、遣唐使を出していた平安日本は、唐の版図に含まれてたことになってしまいます。もちろんそんなわけがありません。李氏朝鮮も、安南も、タウングー朝も、アユタヤ朝も、キルギスも、コーカンド汗国も、琉球王国も、清朝最盛期の版図ではありません。

戦争は、力が均衡しているときに起き易く、力が大きく離れているときには起きにくい。

大嘘ですね。ベトナム戦争ソ連のアフガン侵攻、湾岸戦争イラク戦争、くらいの反例を挙げれば充分でしょうか。力が均衡していたアメリカとソ連は直接衝突しなかったですね。

つまり、日米安保が正常に機能しているなかで、中国が台湾を奪おうとすれば、必然的に日中戦争になるのです。逆に、日本が戦争はいやだ、台湾防衛はしないと言えば、中国は簡単に台湾を奪うでしょう

安保新ガイドラインに従えば、たしかに米中戦争が日中戦争に直結するのでしょう。
しかしアメリカの台湾関係法を無視して、こんな妄想をシミュレートしても意味ないでしょうに。あえて問うならば、アメリカが台湾防衛するのかしないのか、また中国がアメリカを排除しうる実力を保持できるのか、でしょう。

「台湾を押さえれば、沿海州から日本列島、フィリピンにつながる第一列島線が支配され、日本のシーレーンは脅かされます。朝鮮半島は自動的に中国の掌中に落ち、日本は事実上中国に併合された形になります」

日本を防衛するために台湾へ、ですか。かつて日本を防衛するために朝鮮へ、朝鮮を防衛するために満洲へ、満洲を防衛するために華北へ、と進んだ挙げ句どうなったか、思い出せませんか。勝手に敵を作っておいて、その影におびえるなど笑止千万ですよ。