源氏

日本で皇族から臣籍降下した一族に源氏がおり、清和源氏とか村上源氏とかが有名であるが、源氏の称はさかのぼると中国起源だったりする。
中国最初の源氏は源賀という人で、もとの名は禿髮破羌といった。禿髮傉檀の子にあたる。禿髮傉檀は五胡十六国のひとつ南涼の最後の王で、西秦の乞伏熾磐に滅ぼされた。傉檀が殺されると、子の禿髮破羌は北魏に逃れた。北魏の太武帝は「卿と朕とは同源である。区別するために姓を分け、今から源氏とすべし」といって、禿髮氏に源氏を名乗るよう命じた。南涼の禿髮氏と北魏の拓跋氏は、鮮卑のうちでも同族の出で、禿髮も拓跋も同じ音を漢字に写したものとみられている。源賀はのちに北魏の太尉・隴西王に上った。子孫の源乾曜は、唐の玄宗のもとで宰相に上っている。

『魏書』巻41列伝29源賀
『北史』巻28列伝16源賀
新唐書』巻75上表15上宰相世系5上源氏