ふたつの故宮展

2月の頭に上野の「北京故宮博物院200選」に行き、2月の末に地元松山で「地上の天宮北京・故宮博物院展」を見るということをしてきました。「200選」のほうは前半の宋元の書画と後半の康煕雍正乾隆の文物というふたつのテーマがあり、「地上の天宮」のほうは紫禁城の宮廷生活に焦点を絞っているという感じで、それぞれの特色が出ていました。「200選」の主役?の「清明上河図」の本物は見られなかったのですが、それでも春山図巻や康熙帝南巡図巻のような重量級の書画が数多くありましたし。「地上の天宮」の売りの「女孝経図」は傷みがひどいことを除いてもあまり感心しなかったのですが、レプリカの「韓熙載夜宴図」にむしろ魅入られるしまつ。
両展示に共通していえることですが、清代になると西洋絵画の写実の影響がすさまじく大きいなと感じたことでした。「地上の天宮」の清代後期の皇族たちの人物画をみてると、逆卵形の生々しい異形の顔が描かれてるんですよね。もう少しお多福にすれば美化できたのにと思わなくもなく。