なぜ現場は殺気を放っているのか

以下の文章が科学的な根拠に基づいているかどうかについては、まったく保証の限りではありません。ご利用は計画的にお願いします。
バンコック(タイの首都にあらず)の労働者のみなさん、職場が何という理由もないのに攻撃的な空気をはらんでいる、殺伐としている、身の危険すら感じるという経験はないでしょうか?この職場の人間はDQNの集まりに違いない、ひどいやつらだと思ったことはないでしょうか?
しかしこのことにはちゃんとした合理的な理由があるのです。そのことを解説しようと思います。
さて、ぼくらが長時間の労働に従事していると、かなり早い段階で肉体は第一次臨界を迎え、疲労という名の乳酸が筋肉に蓄積するようになります。平常な心身の状態では仕事を続けられない状態を迎えるのです。精神と肉体を高揚させるためのギアの切り替えが必要となります。こうなるとアドレナリンをドバドバと出し、脳内麻薬を分泌しないと、身体が持たないのです。
現場のベテランたちはそうなったときの対処法を経験的に体得しています。つまりそれがさしたる理由もなしに、イライラすること、怒ることなのです。怒ることでアドレナリンや脳内麻薬をコントロールし、心身を調整しているのです。
こうなると、普段は大人しそうな人でも、無言で攻撃的になっていたりするので、下手な扱いは危険です。仕事の邪魔をするやつは、親でも刺す的な気分を横溢させていたりするので、空気をよく読みましょう。ときおり物の分からない新人さんやマイペースな腰掛けさんが、「トロトロするな!どけっ!」と突き飛ばされることもあります。
現場が常在戦場、常在修羅場と化すのは、当たり前の人間の当たり前の防衛機制なのです。長く仕事をやっていれば、そのことを言語化できなくとも、無言のうちに感得できることでしょう。そのことが幸福であるかどうかは、また別問題として。