壁さん、壁さん

武則天って中国唯一の女帝だよね?」
「違うよ、女媧がいるじゃないか」
「女媧は伝説の人物で歴史人物じゃないでしょ?」
「でも三皇のひとりだよ」
「あやしげな話だねえ」
武則天だって、即位をこじつけるために大雲経だの洛書だのあやしげなアイテム使ってんだよ」
「でも女媧は前例として持ち上げられなかった」
「女媧も西王母も頭になかったんだよ。武則天は女性権力なんて考えてなかった。自分の奪権だけだ」
「『新唐書』芸文志によると、武則天には『列女傳』一百巻があったらしいね」
「散逸しちまったから、内容は分からないけどな。どうせろくな内容じゃあるまい」
「決めつけていいのか?案外後世の男性権力者たちに都合の悪い内容で隠されたのかもしれないじゃないか」
「いいのさ、いいのさ、どうせ真偽は分からないからな」
「おそまつなことで」