『君当に酔人を恕すべし』

蔡毅『図説中国文化百華017 中国の酒文化 君当に酔人を恕すべし』(農文協)の第一章からメモメモ。

  • 造酒の伝説
    1. 酒星造酒説(酒旗星というお星様、竇苹『酒譜』「天に酒星有り、酒の作らるるや、其れ天地と并べり。」)
    2. 黄帝造酒説(葛洪『抱朴子』に黄帝が酒泉法を発明したとある)
    3. 猿造酒説(花や果物を集めて酒を醸す猿が実在、「猿酒」)
    4. 儀狄造酒説(夏の禹のときの女性)
    5. 杜康造酒説(『文選』注「黄帝のときの宰人」、『説文解字』「少康は杜康なり」、『酒譜』「豕韋氏」)
  • 造酒の歴史
    • 6000年前、陝西省眉県仰韶文化遺跡で陶製の酒器(最古の酒器)
    • 初期の酒は麹糵を発酵させた穀物酒で、アルコール度数が低く糖度が高かった、つまり甘酒
    • 漢代に酒づくりは発展し、大量の麦を用いるようになり、麹は餅麹に取って代わった
    • 元代に蒸留酒「白酒」が登場、アルコール度数は40度以上
    • 1952年の全国評酒会で選出された8種の名酒は、茅台酒、瀘州老窖特曲酒、西鳳酒、汾酒紹興加飯酒、紅玫瑰葡萄酒、味美思酒、金奨ブランデー

紹介したところは、ほんのさわりだけなんですが、酒好きにはなかなか楽しめる本です。酒に関連した詩詞のたぐいもけっこう引かれているので、そのへんも興味があればどうぞ。