「姪」がおいな話

国語のテストで「姪」に「おい」と読みがなをつけたら、バツをつけられること間違いないが、漢文では「姪」を「おい」と解釈するしかない例がけっこうある。
国史の概説書などで比較的知られているところでは、1165年に金の世宗と南宋の孝宗が和約を結び、「叔姪(しゅくてつ)の関係」としたが、これは「叔父とおいの関係」。1208年には、金と宋の間は「伯姪(はくてつ)の関係」(伯父とおいの関係)に改められる。
別に知られてなくてもいいところでは、「孝武定王皇后は諱法慧、哀靖皇后の姪なり」というときの「姪」は、これは「めい」。しかし「董承、漢の霊帝の母董太后の姪」というときの「姪」は、これは「おい」。
ええと、九州人が「おい」とか「わい」とか言い出したら、他国人が勘違いするとか、それとはたぶん関係がない。