疾風怒濤の曹操篇

「諸君、私は…が好きだ」
http://tenpuraomega.at.infoseek.co.jp/others/
http://wids.net/lab/sukida.html
曹操テーマで作ってみた。

諸君 私は詩が好きだ
諸君 私は詩が好きだ
諸君 私は詩が大好きだ

周南が好きだ 召南が好きだ 邶風が好きだ 鄘風が好きだ
衛風が好きだ 王風が好きだ 鄭風が好きだ 斉風が好きだ 魏風が好きだ
平原で 街道で 城市で 草原で 凍土で 沙漠で 森林で 山岳で 海上で 湿原で
この地上で賦される ありとあらゆる詩が大好きだ
塞北に生まれた 鴻雁の翅が 万里の余ほど広がるのが好きだ
田圃の中の転蓬が 風になびいて遠くへと ただよいあがる時など 心がおどる
酒杯をかかげて人生を嘆き 烏鵲を眺めては 周公や孔子を思うのが好きだ
碣石に臨み 蒼海を見渡し 星漢が燦爛として 海原から出るのを見た時など 胸がすくような気持ちだった
秋の日の朝方に 散関の山をのぼり 盤石の上に座して 五弦の琴をつまびくのが好きだ
崑崙の山から来たという 翁と出会い 道を究めた真人と知った時など 感動すら覚える
去りゆく真人の 引きとめたくて 引きとめられない様などはもうたまらない
群凶の咸陽にあり 関東の義士が孟津に誓いながら 利を争って鎧甲にしらみをわかせるのも最高だ
古代の聖賢をしのび 伯夷・許由の今の世におらぬことを思えば絶頂すら覚える
万姓が野の露と消え 千里のかなたに鶏の声すら聞かないときの 断腸の思いが好きだ
北方は太行山を行軍し 霏々と降りしきる雪の中で車輪が砕けた様は とてもとても悲しいものだ
人馬ともに飢えながら それでも詩文を考えるのが好きだ
嚢を担いで薪を取り 泥土にまみれて地べたを這い回るのは 屈辱の極みだ

諸君 私は詩を 地獄の様な詩を望んでいる
諸君 私に付き従う曹軍の征夫諸君 君達は一体 何を望んでいる?
故郷に帰ることを望むか? 戎馬は鞍を解くことができず
鎧甲を傍らに手放すことのできないこの境遇で 故郷を忘れることができないというのか?

征戦!! 征戦!! 征戦!!

よろしい ならば詩だ
我々は満身の力をこめて 今まさに振り下ろさんとする握り拳だ
だが この暗い闇の底で 冉冉として老いにいたろうとする我々に ただの詩ではもはや足りない!!

詩篇を!! 千年に残る大詩篇を!!

我らはわずかに一部曲 千人に満たぬ義兵に過ぎない
だが諸君は 一騎当千の古強者だと 私は信仰している
ならば我らは諸君と私で 衆百万と一人の軍集団となる
我々を忘却の彼方へと追いやり 眠りこけている連中を叩き起こそう
髪の毛をつかんで 引きずり下ろし 眼を開けさせ 思い出させよう
連中に恐怖の味を 思い出させてやる
連中に我々の 片戈の音を思い出させてやる
天と地とのはざまには 奴らの哲学では思いもよらぬ事がある事を思い出させてやる
一千人の征夫の詩字で 世界を燃やし尽くしてやる

文章の元ネタはヘルシングということになっているらしい。
あちきにとってのオリジナルは↓で、かなり違うんだけど。
「僕は精神が好きだ」