アレキサンドリア図書館炎上みたいなお話

西暦554年11月、南朝梁の元帝西魏の大軍に江陵で包囲された。追いつめられた元帝は舎人高善宝に命じて古今の図書14万巻を焼かせた。
西暦622年、唐が王世充を平定した後、司農少卿宋遵貴に命じて東都洛陽の図書を船に載せ、黄河渭水を遡らせて長安に運ぼうとした。船は沈没し図書の大半が失われた。残るは14466部89666巻に過ぎなかった。
印刷技術の発達以前のことであるから、書物は筆写が基本であるし、とくに人気のある書物以外はそう多くの複本が作られない。貴重な書物は権威者により独占され、ひとたび失われれば永遠に取り返しがつかないことになる。