西秦霸王薛挙

隋末の薛挙の自称の号である「西秦霸王」は、「西楚霸王」項羽を意識したものだろう。
自称としてふつうはわざわざ国号に西をつけたりしない。十六国あたりに「西〜」という呼び名の国がいくつかあるが、自称ではなく後世の人が区別するための史称だからだ。もちろん薛挙が西秦・乞伏氏を意識したという考えもできるが、薛挙が乞伏氏にシンパシーを覚える理由は想定しにくく、きわめて可能性は低いと思う。