「雍正王朝」キャラ総まくり

CCTV大河「雍正王朝」見終わったので、主要キャラ総まくりと行きます。
∇胤蘅(1678〜1735)(演:唐国強)
本作主人公。清の雍正帝康熙帝の第四皇子。国のため民のためとうるさいストイックなおじさん。この人が清全土の官僚たちから提出された上奏文に日夜目を通し、睡眠時間削って朱筆を入れていたのは史実。そこらへんは宮崎市定雍正帝−中国の独裁君主』(中公文庫)を読むべし。ちょっとイっちゃってる部分も劇中描かれてはいるものの、全体としてはやはり美化されていると思う。
康熙帝(1654〜1722)(演:焦晃)
雍正帝の父。名は玄菀。劇中苦悩深き老皇帝。中国史上最高の名君と持ち上げる史家も少なくない。
∇允礽(1674〜1724)(演:徐敏)
廃太子。胤礽。康熙帝の第二皇子。皇太子の党派をつくり、有力者の請託を受けて政治をゆがめたため、康熙帝の失望を買っていた。康熙四十七年(1708)、謀反の罪で廃位され、幽閉された。翌年、再び皇太子に立てられた。五十一年(1712)、再び廃され、禁錮を受けた。史実、行いは悪かったが、それほど頭の悪い人ではなかったらしい。劇中、父の後宮の女官の春華と密通。なにやら憐れな雰囲気を漂わせていた。
∇允祉(1677〜1732)(演:夏和平)
胤祉。康熙帝の第三皇子。誠郡王。学問好きな皇子。『古今図書集成』の編纂にあたったことは、劇中でも出てたよね。
∇允禩(1681〜1726)(演:王絵春)
胤禩。劇中では允祀(胤祀)。康熙帝の第八皇子。廉親王。劇中一貫して主人公胤蘅(雍正帝)のライヴァル。康熙帝の生前は皇太子となるべく策動し、雍正帝即位後も雍正を追い落とそうと暗躍する。なんかスカしてて格好よく、劇中いちばんいい役だったのではないかと思われる。史実では、雍正四年(1726)に宗室の籍を奪われ、阿其那(アキナ、満洲語で犬を指す)と改名させられた。同年のうちに亡くなっている。劇中では允祥より長生きしたことになっているので、その面でも厚遇されているといえよう。
∇允禟(1683〜1726)(演:苗海忠)
胤禟。康熙帝の第九皇子。第八皇子の允禩を支持して、皇太子となるよう工作した。雍正四年(1726)、宗室の籍を奪われ、塞思黒(サスヘ、満洲語で豚を指す)と改名させられた。保定に幽閉され、まもなく没した。劇中、年羮堯のところに送られ、年羮堯の横暴ぶりを引き立てる刺身のツマとされている。允禩と同じく、史実より長生きしている。
∇允祥(1686〜1730)(演:王輝)
康熙帝の第十三皇子。胤蘅(雍正帝)の異母弟にして腹心。劇中もっとも愛すべき好漢。廃太子の事件で十年間幽閉される。雍正即位後は、怡親王に封ぜられ、総理事務として戸部を主管、議政・軍機大臣を兼ねた。
∇允禵(1688〜1755)(演:徐祖明)
胤禵。康熙帝の第十四皇子。雍正帝の同母弟にもかかわらず、すさまじく仲が悪かった。康熙五十七年(1718)、撫遠大将軍に任ぜられ、清軍を率いて青海からチベットに入り、ジュンガル兵を討った。康熙帝が崩じたとき、帝位を十四子に伝える意志を示したとの説が流れた(胤蘅とロンゴドが康熙の遺詔の「伝十四子」を「伝于四子」に書きかえたとかいう俗説)。雍正帝が立つと、京師に召喚され、陵墓の墓守にさせられた。乾隆初年、許されて釈放され、恂郡王に封ぜられた。晩年は、仏教・道教に帰依した。劇中、愛人を雍正に奪われてしまったのがあわれ。
∇年羮堯(?〜1726)(演:杜志国)
雍正帝外戚。妹が雍正の貴妃となる。四川巡撫から四川総督に進む。撫遠大将軍となって青海の乱を鎮圧。横暴なことが多く、雍正三年(1725)に謀反を図った罪を問われ、責められて自殺している。劇中、冷酷非情な人柄ながら、なにやらニヒリスティックな一面を見せている。
∇田文鏡(1662〜1732)(演:賀生偉)
雍正帝に目をかけられて活躍した地方官。河南総督に上った。官紀の粛清、地方財政の整理、黄河の治水などに活躍した。劇中、融通の利かないところを見せて、読書人たちの総スカンを食っている。
∇李衛(1686〜1738)(演:趙毅)
雍正帝に目をかけられて活躍した地方官その2。浙江総督となり、私塩摘発に成果を上げた。ほか盗賊退治もお得意らしい。劇中、胤蘅(雍正帝)の家の使用人から出世しているが、これは話のための嘘である。
∇張廷玉(1672〜1755)(演:杜雨露)
老大臣。雍正帝が即位すると、礼部尚書に上り、『明史』総裁官をつとめた。雍正四年(1726)、保和殿大学士に上り、戸部と吏部および翰林院を管轄し、軍機大臣にあてられた。乾隆帝が即位すると、総理事務大臣。劇中、康熙帝のときから宰相格の大臣をつとめている老臣になっているが、実際は康熙の代にはそこまでの高位にはない。
∇馬斉(1652〜1739)(演:任宝成)
康熙二十九年(1690)から議政大臣。四十八年(1709)、百官とともに允禩を太子に立てるよう推挙して免職されているが、劇中にその話はない。雍正元年(1723)から保和殿大学士。
∇隆科多(?〜1728)(演:蔡鴻翔)
ロンゴド。佟國維の三男。康熙帝の孝懿仁皇后の弟にあたる。歩軍統領として北京城内外の武力をつかさどった。康熙帝の死のとき、そばにいてその遺託をえたおいしい人物。そのため黒い噂が絶えない。雍正即位で、総理事務大臣として吏部を管轄、太保の位を加えられた。雍正五年(1727)、四十一大罪を数えられて弾劾され、失脚して幽閉された。翌年、幽閉先の暢春園で没した。劇中、允禩らの雍正退位計画に協力、失敗すると口封じのために弘時に消されかかる。それでも史実より長生き。卑屈で愛すべき狂言回し。
∇図理琛(1667〜1740)(演:胡栄華)
劇中では、雍正帝の側近で、護衛の役回りみたいだが、史実では地方官とか外交官とかいろいろ歴任している人。康熙年間にトルグト部に使者として立ち、その見聞を『異域録』として記録している。
∇李徳全(演:楊洪涛)
宦官。劇中、この人の自称する「奴才(ぬーつぁい)」は心底やらしかった。
∇岳鐘蒞(1686〜1754)(演:趙東柏)
四川にいて年羮堯と別の部隊を率いていた人。年羮堯が失脚すると、代わって寧遠大将軍となった。曾静の舌禍を雍正帝に報告する役回りでもある。劇中、影が薄かったけど、重要人物。
∇曾静(1679〜1736)(演:鄭建民)
最終話でいきなり出てきた卑屈な老人。ほんとにあんな卑屈な人だったかは知らない。呂留良という人の影響を受けて反満思想に目覚め、岳鐘蒞に反清蜂起するよう働きかけた。雍正帝がこの人と論争した経緯と称する記録を『大義覚迷録』にまとめ、反満思想を論破したことにしたのは本当のこと。また雍正が寛大にもこの人を許し、呂留良の棺を壊し遺体は傷つけさせたのも本当。
∇年秋月(?〜1725)(演:常林)
年貴妃。年羹堯の妹にあたる。雍親王胤蘅の邸に仕えて、側福晋となった。雍正三年(1725)、薨去。劇中では歳も離れた鄔先生を愛していた…ことになっている。「秋月」の名は史実ではないが、廃太子の愛人鄭春華との対比になっている。
∇喬引娣(演:李穎)
山西の田舎娘。第十四皇子允禵に拾われて愛人になる。雍正帝により允禵のもとから引き離され、側仕えをするうちにいつの間にか雍正に惹かれていくという役回り。
∇弘時(演:姜光宇)
雍正帝の皇子。劇中、雍正二年の科挙問題を漏洩。允禩に扇動されて、雍正帝退位計画に協力したり、弘暦を暗殺しようとしたりしている。史実でも、行いが悪く、雍正五年に幽閉されている。
∇弘暦(1711〜1799)(演:賈致剛)
雍正帝の皇子。日本語字幕では「弘歴」と誤記されているのが悲しい。和碩宝親王。のちの乾隆帝。冴えた神童っぷりを垣間見せる。劇中で祖父の康熙帝に気に入られ、秘蔵っ子として育てられる。兄の弘時に殺されかけ、最終話で即位。
∇弘昼(1711〜1765)(演:袁世龍)
雍正帝の皇子。劇中では、昼行灯にみえて実は頭のいい皇子という設定。史実ではどうも妙な行為が多かったらしい。生前に自分の葬式を挙げていたのも実話らしい。乾隆帝が即位すると、国政に参与した。
∇鄔思道(演:李定保)
胤蘅の息子たちを教育する家庭教師。年秋月と相思相愛?だが、秋月を突き放す。雍正即位後は、秋月と面影の似る如月をそばに置き、隠居。のちに田文鏡の相談役をやってたりもする謎の人物。