「尋」と「俄」のレスポンスタイム

正史の列伝などで頻出する接続詞に「尋」というのがある。漢和辞典を引くと「引き続いて」とか「まもなく」といった意味の語として指示される。そこで機械的に「まもなく」と訳すと面倒がないのだが、本紀の記述などを突き合わせて検討すると、その「まもなく」のスパンが数ヶ月から下手をすると1年近く空いていることがわりとある。
似たような接続詞として「俄」というのがある。漢和辞典を引くと「にわかに」「急に」といった意味の語として指示される。しかしこれこそ「まもなく」と訳したほうが面倒がないと感じることが多かったりする。唐突に事件が惹起したというような文脈で必ずしも使われず、淡々とした官歴の叙述に使われることもわりと見られる。「尋」より時系列のスパンが短いとも感じる。
正史列伝の叙述トリックおそるべしというべきだが、そもそも亭主は漢文読みに自信があるわけでもないので、先学の教示を願いたい…です。お願いします。(にわかに低姿勢)