『ハッブル望遠鏡 宇宙の謎に挑む』

カラー版 ハッブル望遠鏡 宇宙の謎に挑む (講談社現代新書)

カラー版 ハッブル望遠鏡 宇宙の謎に挑む (講談社現代新書)

読んだというより観ていた。
野本陽代『カラー版 ハッブル望遠鏡 宇宙の謎に挑む』 (講談社現代新書)
大気圏外の天文台ハッブル望遠鏡の成果をまとめた書である。宇宙の深遠部を鮮明に見られることにクラクラきた。宇宙の広大さと長大さにワクワクした。小学2年生くらいまでは天文学者になりたいとか放言していた自分のことを思い出して、ちょっぴり切なくなった。
宇宙の膨張は加速しているらしいし、ダークマターダークエネルギーは実在しているようだ。深遠の銀河や銀河団を見ることもできるし、新しい星の形成の現場や超新星の残骸を鮮明に画像化できるようになった。木星に衝突したシューメーカー・レビー彗星の衝突痕を捕らえたし、太陽系外惑星の存在も確認できる時代になった。
人類にとっての宇宙はいつもコストパフォーマンスの悪さが問題だが、ハッブル望遠鏡は度重なるトラブルと紆余曲折のわりには、予想を超える知見をもたらしてくれた。そういう意味ではパフォーマンスのとても良い部類に入る。宇宙に夢を追うなら、月や火星への有人飛行ばかりではないのだ。