滝口琳々『新☆再生縁〜明王朝宮廷物語〜』

『江東の暁』や『北宋風雲伝』の滝口琳々（姉妹）による新作マンガ１巻目が出ていたので、読んでみました。無実の父を救うべく男装の麗人が科挙に及第して北京の宮廷にもぐりこみ、陰謀に巻き込まれていくといった展開。

本作のもとになった『再生縁』は、清の乾隆年間に杭州の女流詩人・陳端生が作った弾詞（弾き語り）です。原作が元の成宗年間の話であったものを、本作マンガでは明の成化年間に舞台をうつしています。古典と史実をフュージョンしながら、新しい物語を紡いでいます。最大のツッコミどころは、主人公が科挙試験で厳重な身体検査を受けながら、女というのがバレないということなのですが、これはまあお約束として。

男装の麗人で主人公の孟麗君、野心家の劉奎璧、許嫁の皇甫少華らは原作の『再生縁』から登場する人物。皇太子朱祐樘、萬貴妃、李孜省らは明代に実在した人物です。原作とはかなり違う展開になっているので、今後どのように発展するのかは予断を許しませんが、孟麗君の恋（？）と宮廷陰謀のゆくえやいかに。

ちなみにネタバレですが、史実では齊世美と仁和公主はムフフなのです。本作でどうなるかは今後の楽しみですね。

新☆再生縁~明王朝宮廷物語~ 1 (プリンセスコミックス)