『南遊記』のキャプション

大昔のネタの使い回しで失礼。竹下ひろみ訳『南遊記』(エリート出版社)のキャプションが凄いよって話。百聞は一見にしかず、刮目して見るがよい。
▽裏表紙

人食い妖怪千里眼と順風耳
妖怪が三月三日になれば
子供が食える国家安泰を祈願し
て生けにえの行事。

千里眼と順風耳」は心に汚れの
ない女ほど肉が柔かくおいしい。
うれしそうにしている男妖怪。

華光は母を地獄から救い三千年かかって
花が開く仙桃を盗み母の病をなおす。

面白小説

じわじわと来るぜ、「この野郎」!
▽カラー口絵

神の子供
霊光誕生
父の仇
討った
お母さんに喜こんで
下さる笑顔を見たくて
走りまくる霊光

ここだけ切り取ると、どこの宗教マンガだよって感じですね。
▽P26

馬耳大王 首とられる
龍王

キャプションだけでなく、挿絵のほうもインパクトあります。

ちなみに訳者の竹下ひろみさんには全く罪はありません。本文の訳はすこぶるまともです。キャプションをつけた出版社の日本語能力が全くお粗末だっただけです。同じ出版社で『東遊記』『西遊記』『北遊記』も出ていますが、『東遊記』『西遊記』については僕は持ってません。仄聞するところによると、『東遊記』も負けず劣らずの奇書らしいです。『北遊記』はややネタ本としてのパンチが劣る感じですかね。
参考:
エリート出版社の「四遊記」(小芙蓉城)
四遊記(Days...)
鍵屋の「西遊記」−小説篇(鍵工房 紡喜堂)