神剃

空気読まずに、武梨えりかんなぎ」の批評でもしようか……と思い立ったのだが、非常に難しいことが分かった。武梨えりの上手さを絵抜きで言語化するのは手に余る。ただなお言うとすると、この漫画はターゲットとする読者層を決めて、あからさまにそいつらに媚びまくっている素晴らしい漫画なんだよね(褒め言葉)。女性作家が若い男性読者たちの欲望を手玉に取って転がしていて、読者はそれに否応なく気づかされながら、拒絶できない。拒絶してみせたところ、笑劇に堕ちてしまったのが、今回の騒動

ちなみに「かんなぎ」は、中国語では「神剃」。
「神薙」の「薙」の字の簡体字が「剃」であるということに今さら気づいた。しかし中文の「剃」には「(毛を)剃る」という意味しかなく、日本語でいうところの「薙ぐ」の意味はない。そういう意味では微妙な訳だよな。中文訳するなら「神梛」にしたほうが良かったんじゃないだろうか。
というか、日本の神道知識抜きでこの漫画を読んで楽しんでる海外の人はすごいと思う。
アニメ化もされたことだし、むしろ騒動が起こったほうが売れる仕掛けだったりして(いま流行りの陰謀論で)。