やまいちおんな

通信用語の基礎知識

この文字は、いわゆる誤字であり、妛という字は漢字にも国字にも存在しない。

この字は本来は、山女の2字を縦に書いて「あけび」と読む字で、国字だった。これは滋賀県の通称地名に存在し、この地名などが由来となった字である。

しかしJISの資料で作字した際に、山と女の紙をそれぞれ貼り付けた時、その紙の影が不幸にも一本の横棒に見えてしまい、もってJIS漢字には山女ではなく、山一女として収録されてしまったのである。

漢字辞典には、たまたま似た字として、屮一女という字が存在した。これは「シ」「あなどる」と読む字である。ここから、妛はその字であると誤解されるようになり、パソコン用漢字辞典など、JIS漢字を網羅する字典でも、妛は「シ」であるとして収録されていることが多くなった。しかし、これは誤りである。

幽霊文字Wikipedia

代表的なものに「妛」や「彁」などがあり、これらは康熙字典にも収録されていない。たとえば「妛」は、JIS X 0208の第1次規格 (JIS C 6226-1978) に収録する文字を選定する際に、典拠資料で異なる文字の一部を切って貼り合わせることで作字していたため、切れ目の影を横画と見誤って転記したものと推測されている

あと参考として。
妛芸凡(あきおうし)はやっぱり誤植?(しろもじメモランダム)

前置きはここまでです。

さて、縦棒が「山」を突き抜けているほう(屮一女)の「妛」(シ)の字についてですが。
字典中 妛 字的解释(汉典)を引きましょう。
意味は「媸」と同じだそうです。つまり「(女性の)容貌が醜い」という意味ですね(失礼;)。
そんでさ、字体に注目。

あれっ?旧字形が縦棒が「山」を突き抜けてない字体にされてるじゃん。
汉典はまあまあ信頼できると思うけど、ここは出典がよく分からないしなあ…。
宋体や『康熙字典』の成立以前に「媸」と同じ意味だというこの字に「妛」(やまいちおんな)の字形があったのかもよ。
「𡚴」(やまおんな、あけび)とか全く関係なかったりして…。
面倒くさいから、今回ウラは取らないよ。いずれにせよ、滅多に使う字じゃないですし。でももし通説がひっくり返ったら面白そうです。誰か追求してちょ。