モンゴルへの視線

戦中の絵葉書から
「蒙古村落スケツチ、蒙古包と正裝せる旗長」

「原始的な蒙古人の部落」

ホロンバイル小唄
一、東は興安、南は外蒙、
西はソビエート、
呼倫貝爾、廣い雪野に御旗が進み
昇る朝日に、明けて行く、
國の稜威は、彌や榮へ。
(火の國小唄の節)

「蒙古人の牧畜」

「駱駄の引く幌車」

「奇觀を呈する喇嘛僧の讀經」

ハイラル郊外宿營地に於ける景觀」

このまなざしはこれと地続きだわな。しかし間違えてはならないのは、これは民族だの歴史だのと向き合おうとするたびに、おのれ自身もいつの間にやら纏っている視線であるということ。進歩主義の呪縛か、知の征戦か。観客は観覧席に立ち、メタ視点で舞台の奇観を見下ろす。その視線も、また何者かに見られていることを忘れてはならない。