NHK鄭和

「偉大なる旅人 鄭和」、先日NHK総合でやってたのを録画してたので見ました。
陳凱歌監督の映像と宝船CGは、金を使ってることはあります、で・す・が。
国史好きとしては面白かったといっておきますが、そうでない人からみて面白いのかは微妙です。ネットの評判はかなり悪いように思われます。ギャヴィン・メンジーズを前面に立てたほうが、むしろ受けたかもしれません。
まあ僕のいう中国史好きとしての面白さとかいうのも、靖難の変で内から南京城門開かせたのは鄭和の功績、えっ、うっそーんとか、あまり大航海と関係なかったりしますし。
大航海がメインというなら、船の中でもやしや大豆を作ってたのを、ぜひ映像で再現してほしかった。
さて、ジャーナリストのルイーズ・リヴァシーズさんの存在感が抜群でした。鄭和は植民地をつくらなかった、ヴァスコ・ダ・ガマとは違うのだ、という主張はよく分かりました。でも、あまり美化しすぎるのもねえ。鄭和の三擒蕃王の話も紹介されてはいたものの、あれを平和とか秩序回復とか簡単にいわれると、萎えますです。
ほか業界関係者としては、上田信氏や家島彦一氏や陳舜臣氏が、それぞれ一カットだけ登場。宮崎正勝氏が出なかったのはなぜだろう。
しっかし、現代中国で鄭和が人気って。鄭和が改革・開放のシンボルと番組はいいますが、国威発揚のシンボルになってるとしか思えなかったです。歴史も現代政治と無縁でないですからして。「歴史は現在と過去との対話である」とか、E・H・カーでもご都合で引いて締めときます。