最近の漢籍電子テキスト事情2020年版

 以前にも同様のテーマで書いたことはあるのだが、内容がだいぶ古びてしまったので、稿を新たに書こうと思う。なお使用料が必要とか授権使用とか面倒くさいあたりのところは当方は関知しないのであしからず。

台湾中央研究院漢籍電子文献資料庫
http://hanji.sinica.edu.tw/
 テキストの信頼性の高さと取り回しの良さで、いまだにここがスタンダードと言える。二十五史や十三経といった基本的な文献を検索するときにはまずここである。なお授権使用だと使用できるテキストが激増するらしいが、免費使用オンリーの亭主の知ったことではない。戦国策や通典を検索できた「人文資料庫師生版1.1」が消えてしまったのが惜しまれてならない。

台湾師大図書館【寒泉】古典文献全文検索資料庫
http://skqs.lib.ntnu.edu.tw/dragon/
 ここも老舗であるが、優先度は下がってしまったかもしれない。先秦諸子や資治通鑑や太平広記や全唐詩などをピンポイントで検索するときにはここを使う。

漢籍リポジトリ
http://www.kanripo.org/
 テキストの信頼性が低いのが難点だが、怒涛のごときテキストの量は質を凌駕する。検索も使える。

中華経典古籍庫
http://publish.ancientbooks.cn/docShuju/platformSublibIndex.jspx?libId=5
 無料使用だと検索だけで、コピーアンドペーストさえできないが、これまたテキストの量が膨大で驚く。テキストの質もよさそうである。

Wikisource
https://zh.wikisource.org/wiki/Portal:%E5%8F%B2%E6%9B%B8
 テキストの質が低く、検索も使いものにならないという踏んだり蹴ったりだが、今後に期待したい。