中国の高層建築

 中国の高層建築の起源を漢代、とくに後漢に措定するのは無理のない仮説だろう。当時の高層建築は現存していないが、出土文物としての「陶楼」が後漢以降に現れるからだ。陶楼は陶製のミニチュア楼閣だが、当時に存在した楼閣の姿を写し取ったものと考えられている。出土した陶楼の中には七層のものさえある。
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 ユーラシア大陸古代文明の最後を飾った東の漢王朝に対する西のローマ帝国が「インスラ」と呼ばれる高層アパートを建築していたことと、直接の関連性はないだろうが、共時性を持っている話題のようにも思われる。

 中国の四大名楼に数えられる黄鶴楼や岳陽楼は、後漢の次の三国時代を起源としている。

 現存する高層建築としては、下って北魏の嵩岳寺塔や唐代の大雁塔や小雁塔がその代表例となるだろう。