『仙術士李白』

葉明軒『仙術士李白』(角川コミックス・エース)が出ていました。台湾角川の電子雑誌『FORCE原力誌』で連載中の葉明軒『大仙術士李白』の日本語版です。
ちなみにComicWalkerで最新話が読めたりします。
http://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_TW01000001010000_68/

仙術士の設定は、葉明軒の独創によるものですが、登場人物たちは李白の伝記や盛唐の実在の人物たちをわりかしなぞって作られています。
主人公の李白は、言わずと知れた詩仙・酒仙のあの人です。作中15歳、若いです。水面に映る月に溺れることは当面ないでしょう。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%8E%E7%99%BD
師匠の焦煉師は、李白の「贈嵩山焦煉師」の詩で知られる嵩山の女道士です。「其年貌可稱五六十」…には、漫画では見えませんね。南朝斉・梁のころに生まれたという妖……あ、いえ、何でもありません;;;
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/68305580.html
呉指南は李白の四川時代の友人で、のちに李白とともに楚地を遊歴することとなります。
http://cogito.jp.net/tanaka/sanbun/rihaku03.html
司馬承禎は天台山の道士で、玄宗に召し出されて尊敬を受けた人物です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%B8%E9%A6%AC%E6%89%BF%E7%A6%8E
呉道子は呉道玄のことで、盛唐の画家として知られる人です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%91%89%E9%81%93%E7%8E%84
東嚴子こと趙蕤は、字を大賓、あるいは雲卿といい、盛唐の術数家です。李白とともに「蜀中二傑」と併称された人物でもあります。
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%B5%E8%95%A4
王維は盛唐の詩人として有名な人で、李白と同年の説もありますね。若くして進士に及第して、唐の官界に入った人でもあります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%8B%E7%B6%AD
李林甫は玄宗朝の宰相にのぼる人物ですが、作中のタイムラインではまだそこまで出世していないと思われます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%8E%E6%9E%97%E7%94%AB
最後に登場した杜甫、字は子美は、詩聖と呼ばれるこれまた有名な盛唐の詩人ですが、女子でも男の娘でもないと思われます;;
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%9C%E7%94%AB

さて、今回出版された日本語版は巻数が打たれていませんが、はたして続巻が出るでありましょうか。そこからまずは心配ですが、美少年?と師匠のボディに騙されて、多くの読者の手に取られれば、続巻刊行とあいなるかもしれません。期待して待ちましょう。