4000年前の中国の「世界地図」というヨタ話

ギャヴィン・メンジーズ『1421―中国が新大陸を発見した年』も真っ青な斬新な説が現れたようです。
http://www.thetruthbehindthescenes.org/2012/09/27/secret-4000-year-old-maps-of-the-ancient-world/
http://www.youtube.com/watch?&v=6hGBody_c-g
日本のネット界でも真に受けている人が出ているようですね。
http://quasimoto.exblog.jp/18947799/
http://www.y-asakawa.com/Message2012-2/12-message98.htm
http://satellite2500.seesaa.net/article/294493402.html

提唱者のシャーロッテ・ハリス・リース(Charlotte Harris Rees)女史には、"Secret Maps of the Ancient World"という著作があるそうです。
リース女史も公表の地図を明代の地図であるとしていて、4000年前の地図を証拠として示したわけではなさそうです。ネットに上げられている地図の画像自体不鮮明で、とくに文字が判別できないので、いつの時代のものかを検証することができそうにありません。仮に年代が間違いないとしても、明代から4000年前に飛躍する論理が分かりません。4000年前というと二里頭文化期以前ですぞ。

ヘンリエッタ・メッツ(Henriette Mertz)の説―『山海経』が古代中国人のアメリカ大陸との通交を記しているとする主張―の影響を受けて、英米の「研究者」の一部にはコロンブス以前に中国人がアメリカ大陸に到達していたことを「実証」したがる向きがありますね。
http://www.people.com.cn/GB/paper81/5648/575892.html
http://forum.book.sina.com.cn/thread-913438-1-1.html

ちなみに亭主としても、古代の中国人がアメリカ大陸に到達した可能性そのものは否定しませんが、史実だと認めるには説の根拠が弱すぎるだろうと考えています。