中国史系図録の蒐集

コレクションの楽しみの多少は、大人げなく見せびらかすことで出来ているというわけで、枕流亭亭主所蔵の中国史系図録のお蔵出しです。図録というのは一般書店にあまり置かれていませんし、博物館・美術館のミュージアム・ショップやら古書店やらを足で稼いで巡らないと、わりと集まらないものです。こうして並べてみると、中の人の意に反して、案外大したことがないと思われるのではないかという懸念が少々。なるべく魅力を感じていただけるよう努力したつもりですが…、さて。

1.『中国戦国時代の雄・中山王国文物展』

1981年に東京国立博物館でおこなわれた企画展の図録です。戦国七雄は知られていても、中山国となるとガクっと知名度が下がるのですが、当時は中山王墓が出土してわずか7年ばかりで日本にやって来たようです。沖縄の中山国と混同されないよう、お題に苦労がしのばれます。カラー半分、モノクロ半分ですが、青銅器や漆塗り文物の精美には目を奪われます。中山は鮮虞の国などと思っていると、当時の王権も意外と強いことに驚かされます。

とか言いつつ、この画像をネタ的に出すと拍子抜けされるでしょうか。
2.『特別展・曾侯乙墓』

1992年に東京国立博物館でおこなわれた特別展の図録です。表紙だけみると、なにがテーマなのかさっぱりという図録ですが、1972年に湖北省随州で出土した春秋時代の墓で1冊になっていると考えれば、よくもやったりですね。青銅器や玉器はお約束ですが、漆塗りの楽器がすでに現れていますし、当時の武器なんかも意外と注目点かもしれません。

3.『世界四大文明 中国文明展』

2000年から2001年にかけて日本各地でおこなわれた中国文明展の図録です。唐代以前の中国を一貫した文明として捉えようとする意欲を感じますが、文明の連続よりも変容をより強く意識するかもしれません。
4.『誕生!中国文明

2010年から2011年にかけて国立博物館3カ所でおこなわれた中国文明展の図録です。テーマ的にはやや散漫な感じながらも、北宋以前を対象にした中国考古を肌で感じる内容です。
5.『北京故宮博物院200選』

2012年に東京国立博物館でおこなわれた故宮展の図録です。今回紹介した中では最も部厚い代物です。清代文物の色鮮やかさには目が眩みますね。
6.『泉屋博古─中国古銅器編』

京都の泉屋博古館所蔵の青銅器だけで1冊にしちゃった図録です。中国古代の青銅器は個別の呼び名がわりと難しいのですが、そこらの基礎知識を押さえつつ、住友の青銅器コレクションを各個しっかりと解説してあります。金文の解説もありますので、そのへんでも歴史好きには発見があるかもしれません。
7.『中国国宝展』

2004年と2005年に東京・大阪でおこなわれた国宝展の図録です。考古学上の新発見と仏教美術というふたつのテーマに合わせて、北宋以前の文物が集められています。
8.『北京故宮博物院黄金の至宝展』

2000年から2001年にかけて日本各地でおこなわれた故宮展の図録です。お題のとおり、キンキラキンが多いのが特徴です。とくに清代の盛世の宮廷趣味が分かる内容ですね。
9.『シルクロードの煌めき─中国・美の至宝』

1999年に日本各地でおこなわれた中国・シルクロード展の図録です。漢から唐にかけての中国西域文物を中心に紹介しています。胡人の男性の彫りの深い濃ゆい顔と、女性のお多福顔が目に焼きつきます。陶俑や三彩や壁画が多いのも嬉しいですね。
10.『龍門石窟

2001年に滋賀県甲賀市MIHO MUSEUMでおこなわれた特別展の図録です。洛陽の南郊の龍門石窟世界遺産に登録され、高校世界史の教科書にも出てくる有名なところです。北朝の石仏の重厚さと、解説の濃厚さが堪能できる1冊です。
11.『上海博物館展─中国文人の世界』

2002年から2003年にかけて日本各地でおこなわれた上海博物館展の図録です。明清の書画や文房四宝を中心に紹介されています。近世の文人たちが詩書画の三絶を理想としつつ、教養世界を発達させてきた過程が見て取れます。文人たちの自由な意趣は、ときとして奇想を生み、愉快なものも存在します。
12.『三星堆 中国5000年の謎・驚異の仮面王国』

1998年に日本各地でおこなわれた三星堆展の図録です。立人像や縦目仮面をはじめとするその独特のフォルムは、見た者を驚かせます。中華というよりもネイティブ・アメリカンのトーテムを彷彿とさせる様式は、長江文明のシャーマニックな側面を浮き立たせています。
13.『始皇帝と彩色兵馬俑展─司馬遷史記』の世界』

2006年から2007年にかけて日本各地でおこなわれた兵馬俑展の図録です。その名のとおり西安の驪山陵の兵馬俑坑出土文物が中心なのですが、前後の春秋戦国と漢代の文物にも目配りがされています。兵馬俑のリアルさと一体一体の顔つきの違いを堪能するための1冊です。
14.『神秘の王国【邿国王墓】展』

1998年に山口県立萩美術館・浦上記念館でおこなわれた企画展の図録です。山東省長清県の仙人台遺跡の出土遺物を紹介しています。青銅礼器が中心ですが、一部に玉器・土器・石器・骨器などを含みます。器物としては青錆が強く、良品といえるものは少ないのですが、春秋時代の小国の君主の冥器がまるごと持ってこられたという見応えはあるかもです。
15.『北京故宮宮廷文物展覧』

北京故宮と書いてありますが、長崎孔子廟中国歴代博物館が発行している図録です。北京故宮の派手目な文物を紹介しています。
16.『中国古代文物展図集』

これも長崎の中国歴代博物館が発行している図録です。北京の中国歴史博物館(現・中国国家博物館)所蔵の歴史遺物の一部を時代順に紹介しています。
17.『江南の至宝』

1996年に相模原市立博物館でおこなわれた「南京博物院・無錫市博物館文物展」の図録です。新石器時代から秦漢までの江南出土文物が紹介されています。
18.『上海博物館 中国歴代銭幣館』

上海博物館の中国貨幣と紙幣の図録です。紹介した中ではいちばん薄い図録ですね。
19.『陝西歴史博物館』

西安の陝西歴史博物館が発行している図録です。陝西省の歴史文物が紹介されています。千年の都の置かれた地とあって、選りすぐった遺品は歴史的にも重要なものばかりです。唐墓の壁画などは傷みが激しいものの、当時の絵画を彷彿とさせてくれます。
20.『明国と日本─外交・貿易・文化交流─』

1986年に大阪市立博物館でおこなわれた企画展の図録です。ほとんどモノクロですが、「明代文物でこんだけ固まってるの珍しいんじゃないの」「派手さはないけど、歴史屋のストイックさを感じる」と亭主はコメントしておりました。
21.『東洋美術100選』

東京国立博物館の東洋美術コレクション100点の図録です。このうち中国から伝来したものは70点ほど含まれています。地味な感じですが、名品が多いです。
22.『地上の天宮 北京・故宮博物院展』

2011年から2012年にかけて日本各地でおこなわれた故宮展の図録です。わりと部厚くてお得感が漂います。色落ちの少ないカラフルで派手な文物の多いことも特徴です。
23.『大原美術館VI=東洋の美術=』

岡山の大原美術館の図録です。ほとんどモノクロなのが残念なのですが、唐三彩に関してはここはピカイチですね。そういえば亭主は「青磁白磁より三彩が好きだ」とか抜かしておりました。