中尺国をめぐる妄想メモ

最初に断っておくと、この記事にオチはない。
『魏書』巻7下高祖紀下の太和十三年(489年)八月の条に
「中尺國遣使朝貢。」
とあり、
『北史』巻3魏本紀第3の太和十三年の条に
「是歳,高麗、吐谷渾、陰平、中赤、武興、宕昌等國各遣使朝貢。」
とある。
『魏書』の「中尺國」と『北史』の「中赤(國)」は同一の国の異字表記である可能性が高いが、他の史書には見えないため実態は判然としない。とりあえず「ちゅうせきこく」と振り仮名を振っておく。

宕昌・鄧至・赫羊につづく甘南川北の諸羌国のひとつではないかと亭主は予想するが、根拠も傍証もない。『北史』に見える東亭衛・大赤水・寒宕・石河・薄陵・下習山・倉驤・覃水などの諸羌国も実体はさっぱりであることだし。