2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

楚簡に『左伝』が

ここ数年は清華大学の楚簡がアツかったのですが、今年からは浙江大学の楚簡がアツくなりそうです。さて浙江大学蔵戦国楚簡は、2008年に香港の闇市場に出たものを、翌年に浙江大学OBの芸術基金会理事が中国に買い戻し、現在は浙江大学が所蔵しているという…

ウィットフォーゲル的な延長かしらん

近世中国が低徴税・高公共財の社会だったという言説から派生したあれこれ。 岩井茂樹『中国近世財政史の研究』と・・・(Togetter) http://togetter.com/li/287615 ある顛末(梶ピエールの備忘録。) http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20120417/p1 西洋と中国…

2011年度の中国十大考古新発見

4月12日から13日にかけて、2011年度全国十大考古新発見最終選評会が北京の国誼賓館で開かれ、2011年度の中国における考古新発見のうち最終選考に残った25項目から10項目が選出されました。 選ばれたのは、 河南省鄭州市老奶奶廟の旧石器時代遺跡 福建省漳平…

窓に!窓に!

クトゥルーネタの旬を逃すべきではあるまい。 『晋書』巻94 列伝第64 隠逸 祈嘉字孔賓,酒泉人也。少清貧,好學。年二十餘,夜忽窗中有聲呼曰:「祈孔賓,祈孔賓,隱去來,隱去來。修飾人世,甚苦不可諧。所得未毛銖,所喪如山崖。」旦而逃去,西至敦煌,依…

Wikisourceの中国史籍テキストはどのくらい使えるか

Wikisource中文版の「史書」 http://zh.wikisource.org/wiki/Wikisource:%E5%8F%B2%E6%9B%B8 から中国史料の電子テキストのいくつかを見ることができます。 テキストの質はどうかというと、Wikisourceテキストの信頼性はやや低いです。中文Wikiは繁体字表示…

「おカネがあっても」

枝葉末節ながらツッコんでおこう。 「僕らは評価経済の高度成長期に入った」 週刊東洋経済インタビュー ノーカット版掲載!(岡田斗司夫公式ブログ) http://blog.freeex.jp/archives/51322180.html 古代中国は評価社会。おカネがあっても、家柄や名声がない…

庚父丁尊

陝西省宝鶏市渭浜区石嘴頭村で西周初期の青銅器「庚父丁尊」が出土したというニュース。 「尊」というのは、ラッパ状に開く口と、高い圏足を持っている酒器です。 今回出土した尊の圈足の内側には、「亞」字型の族徽と「庚父丁」の銘文が鋳込まれているとの…

「過秦論」の六国人物

賈誼の「過秦論」に 於是六國之士有甯越、徐尚、蘇秦、杜赫之屬為之謀,齊明、周最、陳軫、召滑、樓緩、翟景、蘇厲、樂毅之徒通其意,吳起、孫臏、帶佗、兒良、王廖、田忌、廉頗、趙奢之朋制其兵。 という一節がある。戦国六国の謀士と縦横家と兵家を列記し…

河了貂の実在について

追記:↓エイプリルフール記事でした↓m(_ _)m 『元和姓纂』巻六によると、河了氏は三苗の後裔であり、巴賨の梟鳴の子孫であるとされる。『華陽国志』巴志によると、周の慎王五年秋に秦の大夫張儀・司馬錯・都尉墨らが蜀を討ったとき、巴の河黒卑が秦に帰順し…